バーニー・サンダースの主張

.23 2016 政治・行政 comment(-) trackback(-)
サンダース語録 1985〜2015 [アメリカ大統領選挙 2016]
バーニー・サンダースの1985年からの発言集を聞くと、長年この無所属で民主社会主義の政治家がいかに一貫して弱者の擁護を訴え、格差に慷慨し、金権政治に反対し大企業に反対し軍事費に反対し権利の抑圧に反対して来たかが分かる。そして驚くのが、彼の言っていることがいかに今の日本にぴったりと当てはまるか、である。日本はまさにアメリカの地獄を必死に後追いしているだけである。だから彼の躍進は日本に飛び火する可能性を秘めていると思う。

だから、アメリカ大統領選候補指名争い、来週火曜日のニューハンプシャーを乗り切って、さらに旋風を巻き起こしてほしい。そしてそれがそのまま、日本の夏の選挙に向けて新しい運動に火を付けることを期待したい。その思いで[語録」を訳してみた。

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「私たちのいま住んでいる世界はこうだ。このことを考えると落ち込みそうになる。数億人という人々が餓死寸前、いまこの瞬間に餓死寸前だ。なのに、世界の超大国をはじめもろもろの国は、おそらく1兆ドル近くのお金を、毎年、毎年、兵器に使っている。核兵器に使っている。一瞬のうちに多くの人々を動けなくし、多くの人の命を奪う神経ガスの開発生産に使っている。しかし、いかに優れた頭脳を結集し科学、ロボット、医学の研究を行なおうが、人間の文明は実のところこの数千年の間、まったく進歩していないのだ」

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「この国の全土でいまある種の道徳的な腐敗が起きている。道徳的な腐敗というのは、大統領府や議会で行なわれることがアメリカ国民の意志を反映していると信じる人たちがいるということである。きょうこの部屋に46の州から虹の連合などの人たちが集まったが、そのことによって私たちが大声ではっきりと言っているのは、ロナルド・レーガン(大統領)やその億万長者の友人たちは、アメリカの代表ではない、私たちこそが代表だということだ」

「勤労者の子供たちにはかつて夢があった。ちゃんと勉強していれば、大学にいけるかもしれない、と。その夢はもうない」

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「ひどい話だ。アメリカの大都市の一部では、子供の50%が高校を終えられないでいる。大学の学費は高騰しており、豊かな家の子供でなければ大学に行けなくなってきた。かつては多くの親の夢だった。私の親もそうだった。がんばれば学校に行ける、大学教育が受けられるという夢だ」

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「たとえば、スウェーデンなど北欧には長年の社会主義の政権があり、おそらくほとんどの点において、それらの国々はアメリカよりずっと民主主義的だろう。選挙では80%、90%の人々が投票し、労働組合が強く、アメリカより開かれたメディアがあり、国民の全員に医療保険がある。そんなのユートピアだと言うかもしれないが、お隣のカナダだって二つの州が社会主義的な政府だ。社会主義を共産主義と同一視して批判するのは、あまりにも無知としか言いようがない」

バーモントの医師:          

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「医療費を払えない患者さんが増えています。
皆さんの中にも、家族が病気になったら治療費を払えないのでは 
という心配をされている方が少なくなと思います」

「今年私はバーニー・サンダースに投票します。国民会保険制度を求めて戦っている人だからです」

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「この国の富裕層の収入がものすごく伸びている一方で、勤労者の生活水準、貧しい人々の生活水準は低下しています。
 中間層や勤労者を不当にいじめるような法案に私が賛成できるわけがありません」

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「500万人の子供を飢えさせ、200万人に野宿させるような大統領や議会は問題です。町が麻薬や暴力の温床になります。
それで「厳しい犯罪対策」だと言いますが、犯罪に対処したいのなら、犯罪の原因にメスを入れなくてはなりません。この国のすべての国民にちゃんとした生活水準を保証しようではありませんか。犯罪対策、それは、貧しい人々を監獄に放り込むということではありません。人口比以上に黒人を処罰することでもありません」

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「貧しい家庭の子供達は飢え、戸外に寝泊まりし、医療や教育の機会もない一方、国の富裕層はますます豊かになっています。税の負担が軽くなっているのからです。子供達が苦しむ一方、富裕層やお金持ちは高級車に乗ってゴルフをしに行きます」

「これは秘密ではありません。アメリカの大統領と議会は国民のニーズに応えていません。その大きな原因は、選挙資金のあり方にあります。お金持ちや大企業がお金で政治家を売り買いできるような制度になっているからです。金持ちはより金持ちになり、貧しい人々はますます貧しくなります。普通のアメリカ人が政治から閉め出されているのです」

「この国が、国の医療保険のない先進国2カ国のひとつであるのは、選挙資金改革と関係しています。いまアメリカでは社長さんたちの収入はうなぎ上りで、貧富の格差はさらに広がり、1000万人のアメリカ人は失業。それは選挙資金と関係しています。制度はだいたにおいて大企業の利害によって支配されています。大統領も議員の多くも、大企業や金持ちの利害を守るのが仕事なのです。彼らがこの国の経済と政治を支配しているのです。

 ですから選挙資金の制度を改革し、いいかげん、選挙に投じることのできるお金を制限しようじゃないかと言っているのです。公平な土俵にしよう。そういう議論なのです」

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「私が心配しているのは、この偉大な国、この民主国家が、寡頭制になりつつあるのではないかということ。つまり、一部のごく限られた人々が、大変な富と力を独占し、その富と力を国民全体に対して使う、ということだ」

「全国のアメリカ国民が、この10年間の優先順位を間違えたワシントンの政策について憤慨している。金持ちには大変な税の優遇策、200万人が外で寝泊まりする一方、いろんな使えもしない兵器に何十億ドルを費やす。そして500万人の子供達が飢えている」

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「希望を失った今のアメリカの国民に希望を与えよう。失業者に雇用を、ホームレスに住む家を、お腹をすかした人たちに食料を」

「いまアメリカの勤労者の労働時間は前より長くなっている。かなり伸びた。休暇も減った。多くの人がヘトヘトとだと言っているのも当然。
実質賃金が下がっている分を残業で補う必要があるのだ」

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「バーモント州の高齢の低所得者に、零下30度の寒さになっても燃料手当は出せないというのなら、
寒さにも耐える大企業には税金は1セントたりとも払ってはならないという大きな道義的義務があるはずだ」

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「経済の成長と言うとき、問題にしなくてはならないのは、誰がそこから収入を増やしているかということであり、明らかに、現実としては、そのいちばん大きい部分はいちばん豊かな人々のふところに収まっている。大多数の人々が実質的には収入が減っているのだ」

「支払機で20ドルを引き出しても、2ドル、3ドルといった手数料をとられる。自分のお金を引き出すのにだ。正直これはひどい「ふんだくり」だ。国民から選ばれた議員としての私たち仕事は、そのような「ふんだくり」をやめさせることだ」

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「その考え方は、大企業を代弁する議員の皆さんもそうだが、金持ちを優遇すると長い目で見てやがては皆が助かることになる、というものだ。いま上位1パーセントが下位90パーセントより多くの富をという時代で、社長の給料は普通の従業員の200倍、それが何か魔術のように下にまでこぼれてくる、という話だ」

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「アジアに投資して莫大な利益を上げた銀行をこの国の納税者が救済するというのはたいへんな皮肉だ」

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「景気がいいのはいちばん豊かな人たちだけなのに、なぜ経済が好調と言えるのか、不思議でならない」

「大企業の経営者が従業員の500倍あまりの給料を手にするのは道徳的に正しいのか。アメリカの勤労者を解雇して利益を出しているようなものなのに」

「問題は我々がサダム・フセインを好きか嫌いかではなく、彼がアメリカ国民にいま差し迫る脅威であるのかどうか、アメリカが一方的にイラクに侵攻することで害より益のほうが大きいのかどうかだ」


グリーンスパン連邦準備制度理事会議長(日本で言えば黒田日銀総裁に当たるおっさん)に:

「あなたは現実世界を知らない。私と一緒にバーモントに来て、普通の人たちに会ってみないか。
 カントリークラブやカクテルパーティーは普通のアメリカではない。億万長者は普通の人ではない」

「ウォルマートがGMに代わってアメリカの主要な雇用主となった。人が暮らして行ける賃金ではなく、人が飢える賃金を払う会社だ。
 しかし、そのことにあなたには一切関心がない」

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「私たちは、この国を自由の国にしている憲法上の基本的な権利を損なうことなく、テロと戦い、アメリカ国民を守ることができるはずだ。

 私たちはみな忘れまい。1940年代、罪もない日系アメリカ人が理由なく収容所に送られた。1960年代はアメリカの大統領、ケネディ大統領が、FBIの捜査ファイルの対象だった。1960年代には、私たちの中にも20世紀の英雄と考える人のいる1人であるマーチン・ルーサー・キングがFBIに追跡され、捜査されていた」

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「全国の人が小規模農家の苦労をよく知っている」

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「失敗し続けている貿易政策をこれからもまた追い続ける代わりに、いったん立ち止まり、どこで失敗しているのかを理解した上で、勤労者や中間層のためになる合意をまとめるべきだ。大きな多国籍企業の経営者だけのための合意ではなしに」

「こういうことをアメリカの上院ではあまり話してはいけないことになっているようだが、これら石油企業がたいへん大きな政治的な影響力をワシントンに対して持っていると思わない人は、自分をごまかしているだけだ」

「上位0.1パーセントの人々、30万人の人々の収入は、いまやアメリカ人1億5000万人を合わせた分より多い」

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「いまこの国の支配層は、まるで酒や麻薬に依存した人のようだ。もっと、もっと、とほしがる。どれだけ大勢の子供達が貧困にあえごうと、どれだけ失業率が高かろうと、おかまいなしだ。もっとくれ、もっとくれ、もっとくれ、と言っている。

私は言いたい。

えー加減にせい!!

Enough is enough」

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「アメリカ人は怒っている。
 アメリカ人は怒っている。
 それは、大恐慌以来の最悪の景気後退にあるからだ」

「アメリカ人がなぜワシントンに白けているか、知っていますか?
 議会がなぜまったく支持されないか、好かれないか、知っていますか?
 国民が「ふんだくられている」ことを知っているからです」

何百万人という人々の労働時間が増えています。そして
彼らの賃金は下がって来ているのです。
医療保険代は増えているかもしれません。
年金は減らされています。

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「何かが根本的にまちがっている。
 0.1パーセントの富が、下位の90パーセントの富とほぼ同じなのだ」

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「200億ドル持っているような億万長者、コーク兄弟なら800億ですが、そういう人たちなら、
 いくら選挙資金規制と言ってもーー委員長はウイスコンシンという中程度の大きさの州ですがーー
 彼らはあなたの目の前で5,000万ドルとか1億ドルといった小切手を切る事ができます。
 それで一切問題ないのです」

「組織的な資金による政府は犯罪組織による政府と同じくらい危険なものだ」(フランクリン・ルーズベルト、1936)

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「この醜悪なまでの格差は不道徳であり、経済的にもまずいし、持続不可能なものだ。
アメリカの経済がこんなインチキでいいはずがない。変らなくてはならない。
 私は皆さんの大統領として、皆さんと一緒になって、それを変える」

           (拍手喝采)

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* バーニー・サンダース、心は無所属ながらアメリカの大統領選挙、民主党か共和党でなければ勝ち目はない。民主党から大統領をめざすことになった。

「問題は天から降って来たわけではない。
 人間がまずい決定によって創り出してきたものである。
 人間による良い決定でそれは変えることができる」

「いま我々がとり組まなくてはならない課題のひとつ、それはこうだ。
 全国に多くの優れた良き人々がいる。
 しかし、状況は絶望的だ、企業の資金力には負ける、大富豪には勝てない、諦める。
 そう思ってしまったら、まさに彼らの思うつぼ。
 皆さんに伏してお願いする。
 どうかそんな絶望の世界には足を踏み入れないでくれ」

バーニー・サンダースの政策

.03 2016 政治・行政 comment(-) trackback(-)
【バーニー・サンダースが掲げる政策

・最低時給を15ドルに上げる

・全国民の医療保障&社会保障制度の拡大

・公立大学の授業料無償化

・人種間の平等の実現と公民権の擁護

・警察法、刑務所法、薬品法の改正

・環境問題に取り組み、キーストーンXL計画(米大陸を横断する石油パイプライン計画)に反対する

・富裕層への課税&企業助成政策の廃止

・TPP反対&海外アウトソーシング反対

・崩壊しかかっているインフラの再建

・労働者が組合に入る権利を支援

・病気休暇中の保障を全労働者に

・有給休暇を全労働者に

・家族休暇・医療休暇を全労働者に

・男女の賃金平等化

・質の高い保育サービス

・子供の貧困と若年者失業の削減

・質の高い保育サービス

・子供の貧困と若年者失業の削減

・市民権獲得の道を開くための移民法の改正

・全国民の選挙権の保障

・政治家への企業による大口献金の禁止


所得格差是正
「350万ドル以上を相続する0.3パーセントの富裕層を対象に『遺産税』を設けます。何百万ものアメリカ人が仕事、家と貯蓄を失う原因となったウォール街の投機家に対する税金も法制化します。そして若者の雇用プログラムに5.5億ドルを投資することにより、仕事に恵まれない若者のために1万人の雇用を生み出します」

TPP反対&海外アウトソーシング反対
「NAFTA(北米自由貿易協定)やCAFTA(中米自由貿易協定)、PNTR(対中正常通商法案)などが発効されてから、数百万人の労働者が失業しています。アメリカが製品を買ってほしいなら、この国で製造する必要があります」

公立大学の授業料と学費ローンの無料化
「若者が両親の収入に関係なく、そして学費ローンの支払いで困ることなく大学で一生懸命学ぶことができるよう闘います。公立大学の授業料を無料化し、政府による学費ローンを停止させ、実質的な金利を引き下げ、必要であれば金利の低いローンに借り換えをすることができるようにします」

金権政治の廃止
「私は民主主義を、候補が労働者や中流階級、低収入の人々、年輩者、子供たち、病人と貧しい者といった圧倒的多数の人々の声を代弁するためのもの、そして我々が全ての人のために生活を改善することができるか考えを話し合うことができることだと考えています。議会と国が金を使って選挙を管理していることを明らかにするために、憲法改正を提案します」

LGBTの権利拡大
「多くの州ではまだ、同性愛者であることを理由に解雇することは合法です。トランスジェンダーであるために入居を断ることも合法です。こんなことは受け入れがたく、変えなければなりません。我々は全てのかたちで差別を終えなければなりません」

【バーニー・サンダース公式サイト】「On the Issues」



「TPPは、アメリカの大企業と製薬業界、そしてウォール街のために用意されたものだ。アメリカの労働者に、時給56セントのベトナムの労働者と競争して欲しいとは思わない」(2015年10月放映のNBCのインタビューより)



「私たちの仕事は、人々を分断するのではなく、ひとつにすることです」(応援動画「Vote TOGETHER For Bernie Sanders」より)



サンダースはバーモント州バーリントンの市長を4期16年務め、その後は連邦下院議員を8期16年、その後上院議員となり、2期目となる。1987年のバーリントン市長在任時にはフォーク・ソングをレコーディングしたアルバム『We Shall Overcome』をリリースしたこともある。

【Rolling Stone】The Untold Story of Bernie Sanders' 1987 Folk Album(2015.12.2)



サンダース候補の主張は若者に支持されているのは、2011年の「オキュパイ・ウォール・ストリート」の流れを継承していること、オバマ政権に対する左派の不満が理由だと分析されている。

【ニューズウィーク日本版】予備選では、なぜ極端な候補が先行するのか(冷泉彰彦)(2015.9.9)



経済学者ロバート・B・ライシュは動画「バーニー・サンダース懐疑論者への回答」のなかで、「アメリカは社会主義者を選挙で選ばないのでは?」という疑問について「問題なのは“金持ちのための社会主義”なのだ」と指摘している。

道新記事より逆行している『政府の農協改革』より

.06 2015 政治・行政 comment(-) trackback(-)
政府の農協改革 北大名誉教授 大田原 高昭
 政府が進めようとしている農協改革はその前提に問題がある。
第一に、農業所得の減少や担い手の高齢化など農業の後退を招いたのは農協だという事実誤認である。
 農業後退の原因は食料自給率39%というところまで追い込んだ貿易自由化政策であることは明白なのに、政府は責任を農協に転嫁している。
 JA全中の監査が単位農協の自由な活動を妨げているというが、ほとんどの単位農協の組合長はそんな事実はないと答えているし、准組合員の増加が農協をゆがめているといっても、准組合員比率が最も高いのは、北海道の農協である。TPP参加による将来の不安から、離農する人や後継を断念する若者が後を絶たない。これを止めるには、農協改革ではなく、安倍首相が『TPPに参加せず、自給率向上に努める』と言えばよい。補助金等付けなくとも担い手は間違いなく増加する。
 第二に、協同組合についての無知である。会社とどう違うのかという見識がなければならないのだが、それが見当たらない。
 協同組合は、歴史的に小の経済を集めて大の経済に対抗し、弱肉強食の資本主義社会において大企業の独り勝ちを防ぐ役割を果たして来た。93カ国、10億人を組織し、世界最大の非政府組織(NGO)とされる国際協同組合同盟(ICA)は、今回の農協改革に際して、政府の改革案が国際協同組合原則への侵害であるとする非難声明を発表した。先進国として恥ずかしいことだ。
 第三に、日本の農家(家族農業)についての誤った認識である。政府は、日本の農家は零細で生産性が低いから思い切って大規模化、企業化しなければならないとし、そのために零細農家を守っている農協を解体しなければならないと考えているようだ。81カ国の統計をみると、1ヘクタール以下の経営が73%、2ヘクタール以下で85%で、平均1.6ヘクタールの日本農業は世界標準なのだ。
 国連は2014年、小規模家族農業への投資を促す決議を行った。そのモデルとされているのが日本農業なのである。
 日本は小規模家族農業のままで近代化に成功し、生産力を高めた唯一の国である。それを可能にしたのが日本型総合農協の存在だ。
安倍農政が国際的な流れに逆行しているのは明らかであろう。こんなことは早くやめさせなければ日本は世界の孤児となる。

これでどうして再稼動ができるの?

.22 2012 政治・行政 comment(-) trackback(-)
出所:グリーンピースのセミナー資料

 そして、多数の警告のうちの代表的なものとして、
(1)原子炉設計の欠陥、(2)自然災害に対する備えの不備、(3)保守点検をめぐる不正――の3つを挙げる。

(1)設計への警告は、ジェネラル・エレクトリック(GE)の原子炉マークI型における設計上の問題がよく知られていたことである。ダロス氏も以下のように話す。

「1970年代だけでも6つの大きな問題の指摘がされていたし、GEはあまりにも問題が大きいために70年代にこの設計をやめたことを明らかにしている。また設計者がマークI型の設計では、事故時に燃料棒をうまく格納できない可能性は90%に上るとまで述べています。さらに事故の7ヵ月前にも科学者有志による警告がされていました」

(2)は事故後に改めて指摘されるようになった地震や津波に対する想定の甘さ。たとえば869年の貞観地震の研究から東北の大津波は警告されていたことなどだ。

(3)は2002年8月に発覚した、格納容器内に設置された燃料棒を入れる容器である「シュラウド」のひび割れを報告しなかった不祥事だ。東電はこれを行政側に連絡もせず、こっそり補修し、無断補修の証拠となる映像に手を加えて証拠を隠した。さらに17基の原子炉のうち13基の検査記録を改ざんしていた。それも隠ぺいはおよそ10年間に及んでいた。

 また隠ぺい発覚後、原子力安全保安院が東電が原発の運転を続けられるよう、安全基準を緩めたことや、その後の調査で東電が管理職が安全よりも経費削減を優先する傾向があったことにも触れ、こう分析している。

《こうした重大な欺まん、ガバナンスや経営管理のミスに、日本の原子力規制、および政府の監視制度が抱える体質的問題が重なった。その後の政府の原子力安全機関の最高責任者および事故当時の首相の発言から、東京電力による前述の大きな欺まんや経営ミスだけでなく、制度特有の欠陥、世界第3位という大規模な原子力部門を抱える日本の安全基準が低いことをアナリストや格付け機関が見逃していたことは明らかである》

「チーム仙谷」再稼働主導 首相・閣僚4者協議 形だけ2012年4月11日 東京新聞

.13 2012 政治・行政 comment(-) trackback(-)

「チーム仙谷」再稼働主導 首相・閣僚4者協議 形だけ

関西電力大飯(おおい)原発の再稼働問題で、野田佳彦首相と関係三閣僚が頻繁に会合を開き、議論している。だが、再稼働問題は実質的には仙谷由人党政調会長代行が中心となる通称「五人組」が、水面下で議論を仕切っている。そして首相らの四者の協議は、それを追認するような形だ。
まさに政府・与党、さらに財界、霞が関が一体となって「再稼働ありき」を進めようとしている構図が浮かび上がる。
(城島建治、関口克己)

野田首相、藤村修官房長官、枝野幸男経済産業相、細野豪志原発事故担当相。この四人の協議が再稼働を決める。

だが四者協議の議論を先導し、事実上政権内をまとめる枠組みが、昨年秋、非公式に出来上がっている。

四者協議のメンバーでもある枝野、細野の両氏と、仙谷氏、古川元久国家戦略担当相、斎藤勁官房副長官の五人組。リーダー格は仙谷氏で「チーム仙谷」とも呼ばれている。

仙谷氏は国家戦略担当相、官房長官、党代表代行などの要職を歴任。枝野氏、古川氏も一員の前原誠司政調会長を支持するグループを束ねている。
昨年八月の党代表選では決選投票で野田氏支持に回り、首相誕生の立役者となった。その政策力と政治的腕力には野田首相も一目置く。

仙谷氏は菅政権で官房長官、副長官としてエネルギー政策を担当し、官邸を去った後も仕切り役を続ける。野党時代から電力会社とのつながりがあり、霞が関や党内ににらみが利く仙谷氏が頼られ続けている格好だ。

野田首相と藤村氏は昨年末以来、消費税増税問題に忙殺されてきた。そのこともあり再稼働問題は長い間、五人に任されてきた。

五人の議論は人目につきにくいホテルなどが選ばれる。東京電力をどう再建するか。電力会社の地域独占体制をどう破るか。そして再稼働問題。
政府の新成長戦略の旗振り役を担ってきた仙谷氏は、電力不足は経済成長の阻害要因になると考えている。早い再稼働を前提に議論を進めてきた。
そして、一連の議論は党内でも、知る人は少数にとどまる。

五人が出す方向性を正式に認める形の四者協議も再稼働を前提として生まれた。

昨年七月。九州電力玄海原発2、3号機(佐賀県玄海町)の再稼働が政治日程に上っていた時だ。

当時の菅直人首相は閣内に根回しなく「新たなルールを作って、国民が納得できる判断が出るよう指示する」と表明。再稼働を考えていた他の閣僚と衝突した。
当時の菅氏は、脱原発を進めて延命を図る野心もあり、衆院解散も頭をよぎっていた。

この時は当時官房長官だった枝野氏が、再稼働の決定は、首相だけでなく官房長官、経産相、原発相を含めた四人で決定することを提案。菅首相にのませた。
つまり四者協議は脱原発に走る菅氏を止めるためにできた。再稼働のツールだった。

四者の協議は四月三日の初会合後、九日までに計四回、慌ただしく回数をこなしているが、各回の所要時間は平均約一時間。首相が枝野氏に求めた新しい安全基準も、関西電力に求めた安全対策の工程表も、指示を待っていたかのように次の会合までに提出されるなど、出来レースを思わせる展開が続いている。

経団連の米倉弘昌会長ら財界首脳は「安定した電力供給がなければ、生産拠点の海外移転が加速する」などと、政府に圧力をかけ続けている。

そんな経済界の動きを、経産省は歓迎している。監督官庁として稼働する原発をゼロにしたくない。五月五日、北海道電力泊原発3号機が停止するまでに大飯原発が再稼働しなければ全国で五十四基ある原発は一基も動かなくなり「原発なしでも大丈夫」という機運が高まる。

その事態を避けたいという利害では財界と一致する。

経産省だけでなく財務省も後押ししている面がある。総合特別事業計画で、政府は今夏に一兆円規模の公的資金を投入する方針だが、再稼働しなければ、東電は安定経営ができず、さらに税金投入が必要になると想定しているからだ。財務省の勝栄二郎事務次官も野田首相に直接、再稼働を働きかけている。

オール財界、オール霞が関が、もともと再稼働をめざす政権を後ろから押している。
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